Crazy Shrimp

Crazy Shrimp is not as crazy as it sounds, but sometimes lazily and sometimes intensively, collects, researches and observes not just Japanese freshwater shrimps and prawns, but also saltwater shrimps, fish and many other aquatic creatures.

コツノテナガエビ Macrobrachium latimanus

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コツノテナガエビ Macrobrachium latimanus
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>テナガエビ科>テナガエビ

神奈川県以南の南西諸島の最上流域に生息しているテナガエビ属の1種。
内地での記録は無効分散によるものとされ、個体数は極めて少ない

南西諸島においても個体数は多くないが、場所によっては優占しているということもある。

体長は最大で96㎜程度と、熱帯性コエビ類としては比較的大型な種である。

本種は、筆者が知る限り最も上流域に適応したテナガエビで、海外の文献によると標高1300m以上の水域で記録されたこともあるという。
そのため、鉗脚や額角は急流域に適応したような形態となっている。

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例えば、鉗脚は他のテナガエビ類と比べて太く短い。
特に腕節が著しく短くなっており、三角形のような形となっている。

 

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額角歯式は 1-2+5-10/2-4上縁歯数は6~12歯と少なめである。
そのため、稚エビを同定する際には、この少ない鋸歯数が同定形質となり得る。
額角の形状は木の葉型とされているが、大型個体は写真のような上方に緩く湾曲した形状になることも多い。
また、稚エビの場合はコンジンテナガエビのように細いヤリ状である(下写真)。
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体色は、幼体では下の写真のように透明感のある色彩を有していることが多いが、成体では全体的に濃い褐色で味気ないことが多い。

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左:コツノテナガエビ(幼体)、左:チュラテナガエビ

 

 

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八重山列島で採集された雄
横から見るとわかりやすいが、額角は非常に広い木の葉状になっている。
まだ、若い個体の特徴である腹節背面の横縞が残っているが、全体的に濃い褐色になってきている。

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八重山列島で採集された抱卵個体
抱卵しているが、まだまだ若い個体であるため、腹節の横縞が鮮明である。
個人的な意見であるが、このサイズの体色が最も美しいと感じる。

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本州で採集された幼体
体長1㎝程度の個体であるが、若い個体の特徴である腹節の横縞は鮮明である。
ただし、撮影ケースに長く入れておくとあっという間に色が抜けるので注意。

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本州で採集された幼体
これは、採集してから長時間経過してから撮影した個体。
腹節の模様が不明瞭となり、同定は困難を極めるだろう。

本州でこのような個体を採集したら、額角を入念に調べる必要がある。
鋸歯数が少なければ、コンジンテナガエビかコツノテナガエビに絞ることができるほか、上記2種は幼体であればともに細長いヤリ状の額角であるので判別しやすい。
後は、飼育して体色が鮮明になったときに同定する必要があるだろう。

 

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参考文献一覧
・諸喜田茂充, 2019. 淡水産エビ類の生活史-エビの川のぼり- Life History of Freshwater Shrimps. 諸喜田茂充出版記念会, 東京.
・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・丸山智朗, 2018. 相模湾および周辺海域流入河川において2016年8月以降に採集された熱帯性コエビ類5種の記録. 神奈川自然史資料 (39): 31-38.
・Robert A Irving, Terence P Dawson, Daisy Wowor, 2017. An amphidromic prawn, Macrobrachium latimanus (von Martens, 1868) (Decapoda: Palaemonidae), discovered on Pitcairn, a remote island in the southeastern Pacific Ocean. Journal of Crustacean Biology, Volume 37, Issue 4, Pages 503-506.