こんにちは、ebina です!
今回は「世界川エビ紀行」の第4回目ですが、
マレーシアのとあるリゾート島T(もはや隠す気がない)での活動記録になります(^o^)
?「お、お前!海外遠征中にリゾート行くなんて...」
なんて思われたかもしれませんが、落ち着いてください。
ebina が最も遠征に行っている地はどこだと思いますか?
答えは簡単、沖縄(特にISGK島)です。
そして、世間一般からしたら、沖縄はリゾート地のようなものですが、
我々、生き物屋からしたら「憧れのフィールド」。
そう。つまり、私はマレーシアの中でも屈指のフィールドに来ているということなのです(知らんけど)。
まぁ、実際は以下の3つの点が滞在した理由です。
特に、治安という点では日本以上に良いため、一人で遠征しているebinaにとってはかなりありがたかったです。
そして、来てから気づいたのですが、このあたりは野犬(隔離されていない犬)がほとんどいないため、夜採集にもチャレンジすることができました。
まぁ、デメリットとしてはリゾートなので、物価が高い、海洋保護地区に指定されていて海での採集ができないなどありましたが、それはまた後日お話します。
はい。前置きはこの程度で終わりにして、
早速、リゾート島Tでの川エビ採集の成果を報告していきます(^o^)
Macrobrachium scabriculum
島内でたくさん見ることができたテナガエビ類です!
スリランカがタイプ産地で、フィリピンまで分布している広域分布種でいつか日本に来るかも、と予想しています。
生息環境や色味はややネッタイテナガエビに類似しますが、大鉗脚が指節の先端を除いて軟毛に覆われるため容易に区別できます。
M.scabriculumのメス?
正直、写真を見返していると、ヒラアシテナガエビとかなり雰囲気が似ており、同定に自身が持てない。
実際に採集した瞬間はヒラアシには見えなかったので、おそらく本種。
ちなみに、写真は撮っていませんが、島内ではヒラアシテナガエビが最も普通種で、夜に川を覗くだけで簡単に見つけることができました。
Atyopsis moluccensis
出ましたぁ!熱帯魚店でアジアロックシュリンプとして売られているオニヌマエビのそっくりなエビ!!
正直、一見するとオニヌマエビにしか見えませんが、額角下縁歯数が多いので区別が可能です(ちゃんと確認しました)。
それにしてもでっかぁい!
こちらはメスの個体。メスの大型個体はあまり売られているのを見たことがありませんが、オニヌマエビと同様に退職変異が多い様子。
特にこの個体は緑がかった木目のような模様で、アンティークのようで素晴らしい✨
Caridina elongapoda
ミゾレヌマエビ系、正式にはC.nilotica種群のヌマエビ類です。
正直、一見するとどれも同じに見えるので、同定が非常に難しく、採集できてもあまりテンションが上がらない(なお今回は分布記録から同定)。
国内のミゾレ、ツノナガと同様に緩流部でたくさん見ることができました。
トゲナシヌマエビ
いるのは知っていたのですが、やっぱり本州でもたくさん見ることができるヌマエビがこっちにもいるっていう事実に(一瞬)感動しました。
どこでもいる・たくさんいる・キャラが立っている(特徴的な額角)の3つから、やはり絶対的な普通種ヌマエビとしての地位を築いている素晴らしい()ヌマエビだと再認識しました…
ヒナハゼ(?)
調べたところ、日本と同じヒナハゼっぽい。
写真は撮っていませんが、イワハゼと本種はかなり優占している印象で、底生魚の採集は日本との違いが全く感じられませんでした。
それにしても、ボウズハゼ類が見られなかったのが非常に残念。
ソデカワニナ類
トウガタカワニナ科のソデカワニナの類。
有識者に聞いたところ、口に切れ込みがあるのが特徴らしい。
全体のシルエットは日本でも見られるスグカワニナに似て、大型でスマート。
Xの方で紹介させていただいたが、こんなに美しいトゲカワニナ類がものすごい個体数見られる素晴らしい環境だった。
イナズマカノコ
汽水域上端で見られたアマオブネ類。
本当はじっくり貝探しをしたかったのだが、🇸🇬でイリエワニを見て以来、汽水域恐怖症になってしまい、早々に撤退しました(T_T)
ちなみに、淡水域では99%カバクチカノコ(と色彩が一致する貝)が優占しておりました。
Johora属?
分布記録と絵合わせからの判断でJohora属の未成体と考えられる。
植物の根についていた美しい赤紫色のカニで、2〜3個体ほど観察することができた。
ということで、川採集での成果はこんな感じでした〜
え?全然川エビ採れてないって?
はい。全くをもってそのとおりだと存じますorz
この島にはとあるテナガエビ類(割と珍しい)を採集しに来ていたのですが、その種はおろか、成体のテナガエビ類をヒラアシテナガエビを除いて1匹も採集することができませんでした。
というより、ロックシュリンプ以外はヌマエビ類も未成体ばかりで、正直思った以上に難しい採集となったように感じます。
やはり、テナガエビ採集をするのであれば夜採集がベストですが、流石に遠征序盤に一人で夜のジャングルに入る勇気はなかったです。
(このブログを書いている今、かなり後悔しておりますが…)
ただし、採集地の雰囲気は最高で、南琉球の清流を彷彿させるような美しい環境でした。
密生していたミクロソリウム類。ネイチャーアクアリウムの世界にいるようで非常に心地よかったです…
しかし、採集中に少し気をつけなければならない点がありまして、
それはトゲトゲの植物(ヤシ類?)です。
写真のタイプは根本に強力なトゲがびっしり生えるタイプで、ぶつかったらアウトなやつです。
もう1種類かなり厄介なヤシがいたのですが、そいつは枝にびっしりとフック上のトゲが付いており、近くを通るたびに服や帽子に引っかかりボロボロにされ、
さらに幹にはとても細く長い毛のようなトゲが密生しており、こちらも手袋を貫通して刺さってくるんですよね。
そのおかげか、使用3度目にして新品のウェダーはすでに浸水しており、先が思いやられる状態です。
もし、読者様がマレーシアなどに採集に行かれる際には、ヤシに気をつけてください!!
さて、次回はこの島の陸地での生き物観察を紹介する予定です〜
生き物屋の皆様、今後とも何卒よろしくお願いいたしますm(__)m
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