こんばんは〜、ebina です!
今回は「世界川エビ紀行」の第13回目ということで、
前回に引き続き、カセ大の先生とご一緒させていただいたカンチャナブリ遠征について書いていきます(^o^)
さて、前回は調査のために僻地の漁師コミュニティに到着しましたところまで、ご紹介させていただきました。
しかし、先生の真の目的地はさらに船で1時間半ほど離れた別の漁師コミュニティ(@_@;)
そのため、到着した翌日にチャーターした船で湖の奥地まで向かうことに・・・
研究者の遠征って半端ないんですね...(^o^;)
ということで早速出発〜🚤
この木造のボートで1時間以上もノンストップで移動。
ただの台座に座っているだけなので、お尻が痛くてかなりハード(T_T)
そんな中でも、毎日のように遅くまで作業されている先生は熟睡されており、研究者の過酷な日常を垣間見たように思います・・・
見渡してみると、似たような水上小屋がたくさん。
おそらく、いくつかは宿泊用にもオープンしている感じでしたので、僻地で休暇を過ごしたい方は是非(おそらく釣りする人向けの宿だと思いますが)。
そして漸く目的の漁師コミュニティに到着。
この地(?)に立った日本人は他にいるのだろうか...?
そんなことを考えてしまうくらい、遠く果てしない道のりでした・・・
さて、僻地の水上集落に着いたものの、先生は例の如く、インタビュー調査を行っているので、やることがない・・・(笑)
ので、とりあえず、水上集落の様子を紹介させてくださいな。
漁師の集落なので、手前には獲った魚を入れておくであろう生け簀がある。
植木鉢が並べてある様子に生活感を感じます。
意外と建物の中にはものがたくさんある。
ちなみに、ちゃんと売店らしきものもありました。
漁師のコミュニティなので、時折、漁師の方が漁獲した魚を持ってきます。
今回は既に頭を落としてある大型のナマズ類が持ち込まれていました。
写真では伝わるかわからないのですが、集落の周辺には常に魚が居着いています。
今回の魚影がそうかはわからないのですが、この湖では外来のシクリッドの1種(フラワーホーンの原種?)が急増しているようで、水揚げされた魚の中にも大型個体を見かけました。
暇つぶしの違法賭博を楽しむ熟年漁師たち。
普通にトランプを楽しんでるのかと思ったら、普通に現金が動いてる(@_@;)
相変わらずの無法地帯っぷりですねぇ(笑)。
やることがなくなったので、勝手に椅子に座ってだらだら〜と。
電波も通じないので、先生にオススメされた高野秀行の書籍を読んでました(先生は彼と面識があるそう)。
マジな僻地で、もっとマジな僻地での活動記録本を読むのはなかなか趣深かったです(^o^)
こんな話をしていると、「だらけすぎだろ!」とか言われそうですが、そんな甘い環境じゃないんですよ。
というのも、山奥の湖の天気は特殊で、午前中は涼しいのですが、正午辺りから強烈な陽光によって、下手したら熱射病になるくらいキツイです。
(ちなみに、夕方からは雨や風やらで湖面は荒れます)
そのため、下手に動き回るとあっという間に体温が上がってしまい脱水症状 一直線なので、保身のためにもじっとしていました。
こんな感じで、見かけ以上に過酷だった調査を終え、
漸く、タイの僻地河川での採集の時間をいただけましたので、溜まりに溜まっていた採集欲を爆発させる勢いで、川に突撃ィィヽ(`▽´)/
今回、訪れた河川はこんな感じの小河川。
ボルネオの秘境とはまた違う、何と言いますか、おどろおどろしい雰囲気を感じます…(^_^;)
実際、先生に話を聞くと、このあたりはマラリア蚊が普通に生息しているという(マレーシアには殆どいなかった)。
早速、サワガニ類を発見!
上流域に行くとほぼ100%遭遇するのですが、正直、あまり違いがわからず、今ひとつ面白さを享受できていない。
遠征が終わったら、改めてカニ類について勉強したいと思う、今日この頃。
それにしても、僻地の小河川ってだけあって、次々と知らない生き物が取れるので、先生とアシスタントの方とともにどんどん奥へ進んでいきます♪
と油断していた、その瞬間・・・
私の5mくらい後ろを歩いていた先生が、
「ヘビだッ!!」と声を荒げる。
何が起こったのかわからず、急いで先生の方を振り返ると、
ちょうどebina と先生の間を、右岸から左岸に向かって2, 3mほどのヘビが飛び出してきたΣ(゚Д゚)
驚くことに、そのヘビは顔を私の胸くらいの高さまで持ち上げて、荒ぶるような勢いで左岸の茂みへと消えていきました。
恐怖を感じる間もない程の刹那でしたが、
間違いなく臨戦態勢のキングコブラでした。。。
勿論、写真なんて撮っている余裕など無く、文での紹介しかできませんが、
今までの採集活動の中で、群を抜いて危険な瞬間でした。
実際、サンプリング中に激流に飛び込んだり、銃を持ったビルマ軍に遭遇したりと、破天荒な経験が豊富な教授ですら、こんな眼の前に臨戦態勢のキングコブラが出たことは一度もないというほど・・・
この興奮をどれだけ伝えられるかはわかりませんが、
先生のもとでお世話になっている間は、事あるごとにこの話を持ち出され(ネタにされ)ていた程です(^_^;)
という感じで、かな〜りやばい瞬間もありましたが、採集成果は十二分✌
先生の研究用のライティング機器をお借りして、ホテルで思う存分撮影を楽しみました(^o^)
Oxyeleotris属の1種
一応、名前は調べたのですが、忘れちった☆
とりあえず、日本のドンコとかなり雰囲気が似ています。
追記:マレーゴビーやマーブルゴビーという名で熱帯魚として売られることもあります。
コイ科ネクトン
相変わらずの解像度の低さでごめんなさい(´∀`)~
詳しい種類はわかりませんが、ジョホールでみたのも黒点がこんな感じだったような…
Amblyceps属の1種
おぉ、見たこともない魚だ!
分類的にはアカザに近いのですが、尾鰭の切れ込みが何ともエキゾチックでテンション爆上げです!
Schistura属の1種
採れると嬉しいローチ系熱帯魚!
網に入った瞬間、細身のタニノボリかと思ったほど幅広く、明瞭な縞模様も美しい素敵ふぃっしゅ!
Channa limbata
小さすぎてハゼでも採れたのかと思ったら、まさかのスネへの稚魚!
先生によるとこの種は山間部の沢にも出現するという。スネへ=止水域のイメージしかなかったので、かなり衝撃的な1匹でした…
ちなみに、この観察ケースに砂利を入れて撮影する「中国の図鑑風撮影法」は先生に教えていただき、実践してみました!
Caridina属の1種
今回の沢で唯一見られたヌマエビ類です。
タイに来るまで知らなかったのですが、タイのヌマエビ類の研究は不十分のようで、テナガエビ類が50種近く(未記載種含む)知られているのに対し、ヌマエビは17種類程度しか知られていない状況。
あまりに情報が不足していて、現時点での同定は難しいっす(T_T)
Macrobrachium pilimanus種群の1種
来ましたぁ!私の推しピリマヌス種群!
日中の採集だったので、未成体も含め中々見つけることができなかったのですが、(コブラに警戒しながら)粘り続けたら完品に近い個体を出せました…!
タイ西部の本種群は知見が不足していますが、形態的にはM.hirsutimanusに類似するような印象でした。
余談ですが、山奥の宿のバルコニーで照明をガンガンに焚いていたら、ライトトラップ状態で次から次へと虫がくるくる(^_^;)
ちなみに一番多かったのがこのコガネムシ?
見ての通り、頭に鋭い角が生えているので、
誤って踏むと冗談抜きで痛いんです。
それが、床一面にざっと50匹以上落ちているので、もはや撒き菱ですわ(# ゚Д゚)
他にもこんなカミキリムシ。
こんな直翅類が飛んできてました。
直翅は走行性が強く、撮影の邪魔になると先生が嘆いていました。
こんな感じで、カンチャナブリの僻地での活動記録は以上となります。
採集成果も悪くはなかったと思うのですが、それ以上に1人だったら絶対に行けないような湖の集落に行ったり、激おこぷんぷん丸のキングコブラとのご対面であったりと非常に衝撃的な遠征でした・・・
帰りがけに立ち寄った観光地の滝
ちなみに、バンコクへ帰る途中にも川採集をさせていただいたのですが、採集中に網の柄が折れてしまい、あまり成果を残せませんでした。
網が折れた反動で心まで折れてしまい、バンコクに帰ってからはしばらく採集離れしていました。
余談ですが、この頃はちょうど日本を出てから1ヶ月経ったあたりで、生活スタイルが急変したのもあり、少しずつ精神的な疲労が出始めてました。
また、同じ時期にウェダーや網も傷んできて、採集する都度修理するという感じで、余計に精神的に疲弊していたように思います(´・ω・`)
長期遠征を考えている方は、採集用品もちゃんとしたものを選ぶことを強くオススメします👍️
それでは最後に、私のお気に入りのタイ料理の「臓物スープ(勝手に名付けました)」を載っけておきます〜
初めて食べた時は前回号の朝市を見た直後で、見た目的にもちょっとムリと思ったんですけど、わざわざ別の店でリピートするほど美味かったです(特に腸みたいなのが最高)。
皆様もタイに行かれた際には是非〜(^_^)/~
それでは。生き物屋の皆様、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
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