はーい、皆様こんにちは〜🦐
採集そっちのけで、美味しい🇻🇳料理を爆食いしてるebinaです(´∀`)~
と言っても、無計画で食事をしているわけではありませんよ〜
ちゃんと栄養を蓄えておかないと、食が合わなかったりレパートリーに乏しい国(どことは言いませんが)に行った際に身体が持ちませんからね!
日本人の口に合う、かつレパートリーも豊富な国で爆食いすることで、栄養補給できて、Happyになれるという一石二鳥ってわけです(^o^)
さて、くだらない話はおいといて、
今回は「世界川エビ紀行」のタイ編3回目ということで、
前回までのカンチャナブリ遠征とは別で、タイ中部に日帰りで採集に行ってきたので、その活動記録について紹介します(^o^)
ちなみに、この頃はタイに到着してから既に10日が経過。
にも関わらず、川エビを2種程度しか出せていないって、控えめに言って悲惨な状況だったわけです。
というのも、カセ大の先生のお手伝いが思った以上にキツく、
深夜3時くらいまでお手伝いすることもしばしば・・
その結果、生活リズムが崩壊して遠征に出る気力もない状況でした(T_T)
冗談抜きで研究者の半ば人間を辞めている生活スタイルの一部を身を以て痛感いたしました・・・
加えて、私が滞在していたバンコク周辺は平地で排水も多く、まともに採集できる場所が少なく、また、タイ本土は純淡水性の川エビが多く1箇所で複数種が取れることが少ない*ということもあり、
「大金出して遠征に行くのもなぁ・・・」という感じで燻っていました(ホテルも宿で長期で借りていたし…)。
*当時の私の知見に基づく話です。
しかし、わざわざ休学し、色んな人に迷惑かけ、2週間超もタイに滞在した末に、
「お金が勿体ないし、怠かったのでホテルで寝てました〜」って、冗談でもありえない話し‼️
気持ちを切り替えて、15,000円かけてタイ中部への日帰り遠征を決行しました。
が、しかし!!
思い切って出発したものの、スコールの影響で目的の川は入れず、早々に計画が破綻(T_T)
既に精神的に病みつつあったebina には堪えるものがありました・・・
それでも既にお金を払っているので、帰るわけにもいかず、
雲行きが怪しい中、先生の専属ドライバー氏(今回は私のガイドとして車を出してもらっています)と一緒に何とか入れそうな川を探すことに。
そして、漸く見つけた河川がこちら。
写真ではあまり伝わらないと思いますが、
水深は浅いものの、雨の影響で濁りが強く、全くテンション上がらないorz
でも、仕方がなくやるかぁ・・・という気持ちで渋々、ボロボロなウェダーと有り合わせで直した網を持って川に入りました。
ということで、今回はこのときの採集結果をご紹介させていただきます・・・
Macrobrachium hirstimanus?
ふぁっ!?
いや…、今まで粘りに粘って採集できるかどうかっていう感じのM.pilimanus種群の成体オスが初手で来たんだが(^_^;)?
10分やってみたところ、2〜3回、石を蹴るだけで1〜2個体取れるくらい優占していることが判明。ここでは普通種だった(@_@;)
Caridina属の1種
採れた瞬間は、「はい、ニロチカ種群、乙〜w」とか思ってましたが、
よく見るまでもなく、「大卵型じゃん!」と驚愕…Σ(゚Д゚)
まだ、ちゃんと調べていないのですが、C.nilotica種群で純淡水性の種っていなかったような?
Caridina属の1種 その2
急流部のボサを蹴ったら採れたブラックなヌマエビ。
網に入った時はC.weberi種群かな?って思ったのですが、横から見るとミナミヌマエビっぽいフォルムをしている(額角歯式が異なりますが)。
しかも、こいつも大きな卵を持っている純淡水種っぽい。
Caridina属の1種 その3
今度は流れの緩やかなボサを蹴ったら、また違う大卵型のヌマエビが網に入ったΣ(゚Д゚)
上述の通り、(日本では)純淡水性の川エビが同所的に複数種 出現することは稀で、「大卵ヌマエビ=1箇所に1種」と思い込んでいたのですが・・・
ど、どうやら🇹🇭では事情が違うようです(目から鱗が・・・)。
M.niphanae
うおぉ、何だコイツ!!
何故か、はさみの部分だけ脱皮したかのように綺麗な、謎のテナガエビ!!
よく観察すると、はさみ脚の腕節までは毛で覆われているのに、そこから先は一切毛が生えていない!!
ピリマヌス種群含め、はさみだけ毛で覆われるのが普通ですが、その正反対の特徴を持つ奇抜な奴🦐
M.niphanae♀
しかも、このエビも例に違わず大卵型・・・
調べてみると、まさかのM.pilimanus種群と比較的近縁なテナガエビらしい。
遠征に来てから初めて知った川エビですが、今まで見てきたテナガエビの中で一番興味深いです、堪んねぇ〜(^o^)
M.idae?
出たっ!ボルネオでも全く同じ未成体サイズが採れたイダエ。
ピリマヌスや純淡ヌマエビがゴロゴロ出ているところからも想像つくと思いますが、ここはかなり上流域。
見識が浅いのですが、もっと下流で出るエビじゃないの…?
M.latidactylus!?
研究室に持ち帰って、じっくり観察したのですが、
どう頑張ってもヒラアシに落ちる気がします。
感潮域上端くらいが至適な環境なはずなのに、ここ海から100km以上離れてるんですけど(^_^;)
ということで、あれだけ渋っていたのに、
蓋を開けてみたら川エビを8種類(未掲載も含む)も採集できただけでなく、
知らなかった川エビの知見を、これでもかって程に実際に見て学び、
良い意味で叩きのめされた感じでした・・・
ち★な★み★に!
勿の論のスケで、川エビ以外も色々採れていますので、一気に紹介しちゃいますよぉ(^o^)
タガニ類
本当に純淡水性のカニの解像度が低いのですが、
明らかにサワガニとは異なる前側縁の鋭い鋸歯。
ネットで調べたところ、🇹🇭の田んぼなどで見られるタガニと呼ばれる種類のカニが近いように思います。
Oxyeleotris属の1種
前回も見ましたが、日本のドンコと似ているマレーゴビー。
カンチャナブリのと同じ種類なのかしら?
Rasbora属の1種
たまに取れるラスボラ類。
キープ時間が長すぎて、色落ちが酷くボロボロに・・・
本当はこういう魚もしっかりとした写真を記録したいのですが、1人だと採集と撮影の時間が本当に足りなくて、コイ科ネクトンは後回しになりがち。
あぁ、誰かと採集したいなぁ(切実)
コイ科ネクトンの稚魚
ありがちな地味な体色に黒斑が出るタイプのコイ科。
実は、先生のもとでお世話になっている際に、学名まで調べたのですが、メモするのを忘れていて全く思い出せない(T_T)
ラベル然り、メモの重要性を学んだ次第です・・・
Puntius partipentazona?
超有名な熱帯魚、スマトラにそっくりな魚。
調べた感じ、同属の本種が近いと思います。
ところで、オレンジベースに暗色の縞模様ってボルネオでも似たような魚見なかったっけ?
中型のコイ科ネクトンたち
これはガイド兼ドライバー氏が投網で捕まえてくれた、この川に優先している中型ネクトンたち。
ていうか、投網もできるって先生の専属ドライバー優秀すぎる…
ヨウジウオ類
日本には生息していない純淡水性のヨウジウオ(多分)。
正直、見た目としては日本にいても全く違和感がないけどね。
同種かはわかりませんが、タイの大河川にはめっちゃデカくなる純淡水性のヨウジウオがいるらしいですね。
Channa striata
はい。どこ行っても見れる「プラーチョン」です。
放生会用に売られているのを見て以来、容器に詰め込まれている様子が脳裏に浮かんでしまう。
Channa limbata
前回も登場した、清流棲のスネークヘッド。
まだ未成体ですが、名前の通りヘビのような顔が最高にかっこいいなぁ。
クローキンググラミー
うおぉぉ、マレーシアでは1度しか見られなかった普通種アナバス。まさか河川上流域にも生息しているとは…!
初めて成体を見ましたが、めっちゃ良い魚じゃないか…
Mastacembelus属の1種
最後の最後にこの強烈な1匹!!
これまで見てきたトゲウナギとは別属の大型化する種類で、この手の種はタイヤトラックスパイニーイールとして日本でも売られている美麗種。
早瀬の転石をいじってたら、めっちゃ美しいボディが飛び出てきて、一瞬思考が停止したほど素晴らしい魚でした(これを入れられる観察ケースを持ってこなかったのが悔やまれる…)。
以上!タイ中部での採集記録でした〜(^o^)
前半の雑談パートで書いた通り、当初は、本当にモチベーションがなくて、遠征の意義すら見失いかけていたのですが、
いざ始めてみたら、川エビや魚の多様度が高く、撮影中には興奮がおさまらないほどのMaxテンションになってました( ´∀`)
それだけでなく、純淡水性のエビが同所に複数種 出ることや、新しく面白いエビを知ったり、既知種の知らなかった一面を学んだりと、この上なく学びのある採集活動ができ、海外で採集することの意味を再認識できました😊
この記事を書きながら感じたのですが、いつでも報われるわけではないものの「辛いときに、もう少し、もう1日だけでも頑張ってみよう」っていう試みが、なんだかんだで今回の旅の成果や充実感に繋がっているように思います。
短期の遠征では、成果を出すことに夢中でこういったことを感じるタイミングが少ないので、
遠征ではなく、世界を放浪する採集旅という非効率的なスタイルも案外悪くないと思う今日この頃です。
まぁ、人に自信を持って勧められるほどの活動はできていませんが。
なんて、自分語りが過ぎましたね(^_^;)
さてさて、次回はこの日の続き、別の採集ポイントに行った際の活動記録を紹介する予定です〜
今回とはまた違った水生生物が見られましたので、次回号もお楽しみに(^_^)/~
生き物屋の皆様、今後とも何卒よろしくお願いいたしますm(__)m
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