Crazy Shrimp

Crazy Shrimp is not as crazy as it sounds, but sometimes lazily and sometimes intensively, collects, researches and observes not just Japanese freshwater shrimps and prawns, but also saltwater shrimps, fish and many other aquatic creatures.

採集日記 2020-12月号

おはようございます!ebina です。

ついに来てしまいました。12月号。。
2020年は矢のごとく過ぎ去っていきましたね( ;∀;)

さて、本題の今年最後の採集日記に入っていきたいのですが、今月はCSPLの執筆のために様々な写真を撮影してきたので、淡水エビに関しては普段より若干豪華かもしれません(やべぇ、ハードル上げちゃった...)

ということで、さっそく報告に入っていきますよ!!

▼先月号はこちら▼

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チュウゴクスジエビ Palaemon sinensis

いきなり外来種からスタートするというダメっぷり...
この固体は、私の通っている東〇海〇大学内で採集されました(笑)

 

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ミナミテナガエビ Macrobrachium formosense

とにかく黄色かった個体。本当によく生き残れたなぁと感じました。

 

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ヤマアカガエル

初めて見たカエルです!!
気温が低かったこともあり、ほとんど動けてませんでした(笑)
起こしちゃってごめんね (。-人-。) 

 

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フネアマガイ Septaria porcellana

知る人ぞ知るイシマキガイをも凌駕するコケ取り能力を持つ腹足類。
実は無効分散で関東にもたびたびやってきているらしい。

 

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テナガエビ Macrobrachium nipponense

あんまりちゃんとした写真を持ってなかったのでCSPL用に撮影した個体。
ちゃんと観察してみると、味わい深い体色をしています(棒)

 

ここからは2020年ラストの大物狙いで通った温〇水採集の結果です

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ルリヨシノボリ Rhinogobius sp. CO

いや、温〇水採集でいきなり温帯性の種かよ!!
とも言い切れないくらいなかなか採集できないヨシノボリです。

 

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オオクチユゴイ Kuhlia rupestris

さすが、某河川。結構たくさん採集できました(笑)
実は、地元の河川で8月にユゴイを採集していたのですが、レア度がわからなくて撮影せずにリリースしてしまったというのはまた別の話。

 

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モクズガニ Eriocheir japonica

なんか片手だけ、もふもふしてますなぁ(笑)
採集したら漁協の人になんか言われるかもなので、水中写真だけ。

 

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オオヒライソガニ? Varuna litterata

先月同様、腹肢の形状を見ていないので何とも言えません。
まぁ、普通のオオヒライソガニってことでいいでしょう(笑)

 

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ケフサイソガニ Hemigrapsus penicillatus

いや、だから課金して温〇水流入河川に来てるんだから温帯性カニなんて、、
とも言い切れないくらいかわいい黒いドット模様。

 

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スジエビ B型 Palaemon paucidens

実はちゃんと撮影したことがなかったスジエビのBタイプ。
Aタイプに比べて模様がくっきりとしててキレイな印象です!
これも温帯性種ですが...(以下略)

 

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ヤマトヌマエビ Caridina multidentata

正直、この大きさのヤマトってなかなか採集できないんですよね。
上流域に行くとどれも成体だし、熱帯性コエビ類採集で混ざるのは同定に苦労するレベルの小ささですからね。

 

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ミゾレヌマエビ C.leucosticta

実はちゃんと撮影してなかったエビランキング第1位かもしれない。
わざわざサンプリングして、持ち帰ってから撮影した僕, えらい!

 

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ヒメヌマエビ C.serratirostris

闇落ちしたアイドル ヒメちゃん♡ と呼びたくなるような体色。
こんなクールなカラーに痺れる、憧れる!!

 

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リュウグウヒメエビ C.laoagensis

これまた闇落ちしたかのように漆黒な体色!!
真っ黒な体に入る1本の黄色の線は非常に美しい(*´▽`*)
個人的にかなり好きな熱帯性ヌマエビ、地味とは言わせないぜ。

 

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コンジンテナガエビ Macrobrachium lar

またまた闇落ちしたような体色シリーズ。
といっても、こいつはまだまだ茶色いので甘いですね。
余談ですが、関東圏の冬に採集した熱帯性コエビ類を陸上で撮影すると、あっという間に冷え切って麻痺するので注意。
ebina は熟練した技術を持ってして撮影しました()

 

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ヒラテテナガエビ M.japonicum

はい。闇落ちシリーズ終了(笑)
正直、典型的すぎてコメントしにくい..。CSPL用に撮影した個体です!

 

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ザラテテナガエビ M.australe

ヤリ状に伸長した額角がかっこいいですねぇ!!
ちなみに体色が白く濁っていますが、寒さによるダメージと思われます。

 

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コツノテナガエビ M.latimanus

2020年の締めに相応しい大物です!!
関東圏で12月(年末)に採集されたのは初かもしれません。

 

 

というような感じで、今年の採集日記はこれにて終了したいと思います。

初心者なりに採集を頑張ってきたつもりですが、満足していただけたのであれば幸いです。2021年も日々の採集に努めていきますので、これからもよろしくお願いします!!

 

ebina-1.hatenablog.com

 

採集日記 2020-11月号

2020年11月号を書いている時期が2021年1月という悲しい状況に陥ってます、Crazy Shrimp管理人の ebina ですぅ!

なぁに書くのさぼってるんね!!と言われそうですが、全くを持って言い返すことができません...

言い訳をするならば、いろいろと採集に入ってたんですよ。。。
ただ、先月号のエビのレベルが高すぎて筆がのらなかったんですorz
▼うわさの先月号▼

そんな文句を言ってたらどんどん写真がたまってって、整理が追い付かず、やる気がなくなってetc...

はぁい!!

四の五の言わずに書いて行きます。。

 

 

まずは、唯一の関東圏外で採集したエビです

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ミゾレヌマエビ Caridina leucosticta

網に入った瞬間から異彩を放ってました。
普通のミゾレでは絶対見られないような黄色で美しい。
個人的な予想なのですが、これは色彩変異なのかもしれません。


ここからは関東圏における採集です

まずは、温〇水流入河川での採集結果です!!

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ボウズハゼ sicyopterus japonicus

心なしか普段の個体よりも透明感があり、採った瞬間にレア種と勘違いしました(笑)
ハゼに詳しい友人に自信満々に写真を見せて、恥をかきました///

 

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ザラテテナガエビ Macrobrachium australe

さすが温排〇流入河川、安定して熱帯性コエビ類が採れます
それはそうとザラテ幼体の額角はぎゅーんと湾曲してかっこいいです!!

 

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トゲナシヌマエビ Caridina typus

この体色のトゲナシヌマエビは初めて見ました。
正直、この色彩が某エビに似すぎていて非常に困りました。

 

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コツノテナガエビ Macrobrachium latimanus

今月も採集することができました!!
先月号とは異なり、採集直後の色彩を撮影することができたので満足!
1㎝の幼体でも横縞が明瞭でいかにもレア種って感じですね(笑)

 

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オオヒライソガニ類 Varuna sp.

手がふさふさしてないモクズガニが採れたなと思ったらこいつでした。
ただ、普段見るオオヒライソよりはさみが赤くないので別種かもしれないっす。
2021年からは淡水エビだけじゃなく両側回遊性カニ類も勉強して、タイワンオオヒライソガニとの区別ができるようになりたいところです。

 

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ブラックバス類(オオクチバス?)

別に初採集じゃないんですけど、この固体は背骨が曲がった奇形だったので一応撮影しておきました。特定外来だけど色彩はきれいですよねー(棒)

 

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クロホシマンジュウダイ Scatophagus argus

南西諸島では採集したことがありましたが、関東では初採集(^o^)
さすが温〇水流入河川、簡単に10個体以上採集できました(笑)

 

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シマイサキ Rhinchopolates oxyrhynchus

汽水魚の定番って感じですねぇ。。
当時は一緒に写ってるミゾレに気づいてませんでした(笑)
せめて写真だけでも取ってあげればよかったですねー

ここからは、極寒の上流域採集です!!!
ただでさえ水温が低い上流域に寒波が到来している日の真夜中に行くという。。
ちなみに温排〇流入河川は水温20℃越えでしたが
この水域では10℃を下回っていました

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トウヨシノボリ類??  Rhinogobius sp.

初採集なので自信ないですけど、カワヨシノボリにしては胸鰭の鰭条数が多いと思うのでトウヨシノボリ類だと思います。
頬の細かい赤色の斑がすごく新鮮でかっこいいですぅ(≧▽≦)

 

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ヌカエビ Paratya improvisa

実はヌカエビをあまり採集したことがなかったこともあって知らなかったのですが、成体雌はこんな黒っぽい体色になるんですねぇ。
若干青っぽくていい感じです!(地味だけど)

 

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カジカ 大卵型 Cottus pollux

上流域の定番の魚ですよね、たくさん採集できたので食べればよかったな、、
写真の手の映り込みは、まぁ、ご愛敬ってことで。

 

 

 

最後は、寒すぎず、温かくもない小河川で採集してきたのでそれの報告!!

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アオダイショウ

寒すぎたのか、けがをしていたのか、この姿勢で全く動かなかったので陸に移動させておきました。
余計なお世話が嫌だったのか、めちゃめちゃ臭いにおいを網につけてきた曲者

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ヒメヌマエビ Caridina serratirostris

11月なら普通の河川でもぎりぎり採集することができました。
おそらく12月になると死滅するのか、突如として採集できなくなるタイプです

 

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チュウゴクスジエビ Palaemon sinensis

網に入った瞬間にスジエビではないとわかりました。
図鑑で存在は知っていたものの、近場で採集できるとは思っていなかったので正直焦りました。。。
いくら外来種とは言え、正真正銘の初採集エビです(笑)

 

 

てな感じで、あれだけ書くの渋ってたのがウソみたいにいい感じの採集をしていたことに気づいた ebina でした(笑)
もちろん先月みたく、ほとんどの既知の関東産熱帯性コエビ類を制覇したわけではありませんが、初採集のエビ類・ヨシノボリ類が出せたわけで満足です!!

まぁ、今回みたいな感じでだらだらと採集日記は書き続けていく予定ですので、生き物屋の皆さん、今後ともどうぞよろしくお願いします!!

 

ebina-1.hatenablog.com

トゲナシヌマエビ Caridina typus

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トゲナシヌマエビ Caridina typus

十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>ヌマエビ科>ヒメヌマエビ属

琉球列島から福島県・石川県まで分布しているヌマエビの1種。
聞きなれない和名から、多くの人が珍しいエビと思うかもしれないが普通種である。

和名の通り、額角上縁に鋸歯が無いため「トゲナシ」と呼ばれているが、稀に1歯ある個体がいるという。
勝手ながら「幻のトゲアリトゲナシヌマエビ」と呼んでいます。(なお、見たことはない)

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額角歯式は、0+0/0-4 と、写真のように額角下縁には歯がある場合もある。

 

額角の短さ指節の短さ、なめらかな体のラインから、いかにも上流に適応しているように見えますが、河川全域はおろか、用水路潮だまりにも生息することがある。

上記の説明だけ読むと、どこにでもいる雑魚キャラのように感じますが、関東では個体数は控えめ。(いるところにはたくさんいますが。)
加えて、冬になると個体数が激減する傾向があります。

琉球列島ではおびただしい数が優占しています。

同定方法は、額角上縁に鋸歯が無いヒメヌマエビ属ならほぼ100%です。

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背側の縦線に対して「^」模様が入るという点から同定することも可能。
加えて、大きめの点線が出る個体も多い。

個人的な経験則ですが、幼体ほど額角は短く、成体は割と長い印象ですね。
つまり、小型個体はヤマトヌマエビリュウグウヒメエビより額角が短いことが多いので、慣れれば鋸歯の有無を確認する手間が省けるかもしれません。

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東海地方の1㎝未満の個体
わかりにくいですが、額角がかなり短いです。
この固体は体色の雰囲気から、ミナミオニヌマエビと勘違いしました。。。

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沖縄県産の個体
腹節背面の断続的な模様がわかりやすい個体です。
このような模様は、他のトゲナシ型のヌマエビにはあまり見られません。

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関東の用水路産の個体
同所的に抱卵個体も見られたので、変な環境でも繁殖はできるようです。

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沖縄県産の抱卵個体。
大型の雌は体色が黒っぽくなる印象です。
ミゾレヌマエビやリュウグウヒメエビ、オオバヌマエビなどでも同様な体色の変化傾向が見られるため、この変化はヌマエビ類にとって利点があるのかもしれません。

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沖縄県産の雄の個体
沖縄県には、形態が似ているヌマエビが多く生息しているので同定には細心の注意が必要である。正中線の模様で同定ができない場合は、額角上縁の鋸歯を確認する必要があるだろう。


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参考文献

・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・丸山智朗, 福家悠介, 2018. オオバヌマエビの沖縄島からの初記録. Fauna Ryukyuana, 43: 11-17.
・丸山智朗, 乾直人, 池澤広美, 2018. 温泉水の流入する釜戸下流域(福島県いわき市)における十脚甲殻類の記録. 茨城県自然博物館研究報告(21): 135-142.

 

ひとりで八重山行ってきた件 路

こんばんわ、ebina でーす🦐

今回は、八重山遠征の番外編記事ということで、路上で出会った数々の生物をアップしていきたいと思います。
なんだかんだで、合計150㎞くらい移動したと思います。(取り立ての免許で)
そんだけ車を走らせてればそりゃいろんな奴に出会うよねってことで、写真枚数がかなり多いです。その点を考慮して、今回は写真と生物名のみとしていますー。
おそらくですが誤同定頻発していると思うので、ご指摘等ありましたらコメントにお願いしますm(__)m

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サキシマヌマガエル Fejervarya sakishimensis

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ヤエヤマカジカガエル Buergeria choui

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ヤエヤマヒメアマガエル Microhyla kuramotoi

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オオハナサキガエル Odorrana supranaria

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オオヒキガエル Rhinella marina

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イワサキセダカヘビ Pareas iwasakii

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サキシママダラ Lycodon rufozonatus

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サキシマハブ Protobothrops elegans

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ヤシガニ Birgus latoro

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ミナミオカガニ Cardisoma carnifex

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オカガニ Tuerkayama hirtipes

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カクレイワガニ Geograpsus grayi

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ヤエヤマヤマガニ Ryukyum yaeyamense

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ベンケイガニ Sesarmops intermedius

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リュウキュウアカテガニ Chiromantes ryukyuanum

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ミナミトビハゼ Periophthalmus argentilineatus

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カマドウマ Diestrammena apicalis

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ナナホシキンカメムシ Calliphata nobilis

 

こんな感じでいろんな生物を見てきた八重山の路上撮影でした。
明らかに路上じゃないのがありますけど...

冒頭でも述べた通り、誤同定が多いと思いますので、コメントでご指摘等していただけると幸いです。
生き物屋の皆さん、今後ともどうぞよろしくお願いします!

▼これまでの記事一覧はこちら▼

ebina-1.hatenablog.com

 

ひとりで八重山行ってきた件 参

 こんにちは、ebina です🦐

前回に引き続き、八重山遠征の報告をしていきます(*´▽`*)
今回はebina の大好きな清流域での採集をピックアップします!

▼前回の記事はこちら▼ 

 

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ツブテナガエビ Macrobrachium gracilirostre

日本のエビとは思えないような色彩のテナガエビ
前回の遠征でも採れましたが、いつ見ても感動します!

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コツノテナガエビ M.latimanus

河川最上流域に生息する強靭なテナガエビですね。
別に個体数が少ないわけじゃないのですが、河川の源流域にいかないと出会えないので滅多に見れない印象ですね(`・ω・´)

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ネッタイテナガエビ M.placidulum

再び登場、八重山の普通種ネッタイテナガエビです(笑)
普通種とは言え、色彩はきれいですよね(^O^)

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ヒラアシテナガエビ M.latidactylus 

清流の直前の下流域で採集した小さなエビ。
額角歯式からしてオオかヒラアシなのですが、頭胸甲側面の模様からしてオオテナガエビっぽいけど、額角の形状からヒラアシテナガエビと同定しました。
これで、新規14種目のテナガエビとなりました!!

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オオバヌマエビ Caridina macrodentata

トゲナシに似てるレアなヌマエビその1という印象です。
頭胸甲が若干短いので、雰囲気同定できると感じました!

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リュウグウヒメエビ C.laoagensis

トゲナシに似てるレアなエビその2って感じです(笑)
オオバよりも見分けるのが難しく感じます( ;∀;)
参考文献とかがあるわけではないのですが、ちょっと前の学会で複数種存在すると示唆されているそうですが、詳しい話はわからないです。
八重山列島産の固体は腹節下部に黒斑が出ると思っていたのですが、この固体は出てないので、黒斑ありのリュウグウとは別種なのかな...?

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ミナミオニヌマエビ Atyoida pilipes

激流に生息するエメラルドのような美しいヌマエビ✨
コツノテナガエビと同様に、個体数はあってもなかなか見れないエビ。

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タメトモハゼ Ophieleotris sp.1
かなりビックなハゼで、見るものを圧倒する極彩色!!
逆光補正で撮影しただけでスーパービューティーですね✨

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シマエソハゼ? 

実は、今採集で一番最初に採集した生物です(笑)
人生で初めて見たので、多分なかなかレアなハゼだと思います!

 

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チュラテナガエビ Macrobrachium sp.

今回も採集できました!!嬉しすぎる(≧▽≦)
しかも、かなり立派なオスも採集できたし、最高ですね!!

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カスリテナガエビ Macrobrachium sp.

今回の遠征の一番の大物!!未記載テナガエビの2種目です!!
網に入ったときは、チュラテナガエビの色彩変異かと思いましたが、額角歯式や頭胸甲側面の模様からこのように同定しました。
さりげなく、日本の未記載テナガエビ2種とネッタイテナガエビ種群3種の採集を達成できて大満足です°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

 

以上を持ちまして、かなりいい感じの成果を残した八重山遠征報告を終了します!
今回の記事は、ebina の作成した記事史上最高の豪華さで、淡水エビ好きの皆さんには楽しんでいただけたと思います (だったらいいな。)

こんな調子で、ゆるーく、ときにはがっつりと淡水エビ採集に努めていきますので、生き物屋の皆さん、淡水エビ好きの皆さん、今後ともどうぞよろしくお願いします!

▼これまでの記事一覧はこちら▼

ebina-1.hatenablog.com

 

 

 

ミナミテナガエビ Macrobrachium formosense

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ミナミテナガエビ Macrobrachium formosense
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>テナガエビ科>テナガエビ

南西諸島から福島県福井県まで広く分布しているテナガエビ類。
ヒラテテナガエビと異なり、本州だけでなく八重山でも個体数が多い印象。

体長は最大で100㎜と比較的大型である。

本種はテナガエビと形態的に似ているが、テナガエビよりも生息環境が広く河川下流域から中上流域まで見られることが多い。
テナガエビよりも額角や胸脚指節が太短いことからも、幾分か上流域に適応した形態となっていると考えられる。

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額角歯式は 2-3+7-10/2-4 で、額角は典型的な木の葉型である。
額角先端は触角鱗に達しないことが多いが、未成体では比較的長くなる傾向がある。

頭胸甲側面に3本の斜横線が入るが、未成体では色が鮮明で成長するにつれて薄くなっていくように感じる。
ただ色彩的には不明瞭になるが、くっきりと「m」の模様があらわれる。

 

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関東産 成体の雄
上記で述べたように、頭胸甲側面の「m」模様の色は少し薄い
ただ、テナガエビに比べて太くまっすぐであり明瞭です。

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関東産 成体の雌
上の個体と比べ「m」模様の色彩は鮮明である。
模様だけでテナガエビとの区別ができないときは、額角を確認するとよい。
筆者はあまり使わないが、はさみの剛毛が比較的少ない点でも同定可能である。

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関東産の雌の個体
経験則だが、本種は割と色彩変異が多いように感じる。
基本的に成体雄は一番最初の個体のような色彩であるが、未成体や雌では様々な色が見られる。
透明感のある色彩に、頭胸甲側面の3本の赤い斜横線という特徴のみで同定してザラテテナガエビと誤同定しないように注意したい。

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関東産 未成体の雄
ちゃんとケースに入れて撮影しなかったが、明瞭な黄色の個体もいる。
この固体は頭胸甲側面の模様が見えないため、胸脚指節長から同定した。

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関東産の幼体
体長20~30㎜未満の個体でよくみられるが、鉗脚に橙や黄色の色彩が見られる。
上記にあるように幼体は頭胸甲側面の斜横線が鮮明である。

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関東産の幼体
上の個体と同様に鉗脚に黄色の斑が見られる。
この大きさの個体では額角は細長いため、素直に頭胸甲側面の斜横線の形状で同定するのが良い。

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参考文献一覧

・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・豊田幸詞, 関慎太郎, 2014. ネイチャーウォッチングガイドブック 日本の淡水性エビ・カニ 日本淡水性・汽水性甲殻類102種. 誠文堂新光社, 東京. 
・諸喜田茂充, 2019. 淡水産エビ類の生活史-エビの川のぼり- Life History of Freshwater Shrimps. 諸喜田茂充出版記念会, 東京.
・丸山智朗, 乾直人, 池澤広美, 2018. 温泉水の流入する釜戸下流域(福島県いわき市)における十脚甲殻類の記録. 茨城県自然博物館研究報告(21): 135-142.

 

テナガエビ Macrobrachium nipponense

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テナガエビ Macrobrachium nipponense
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>テナガエビ科>テナガエビ

 本州および九州に生息する温帯型分布テナガエビ属の1種。
本種には遺伝的に分化した3つの型(河川型、淡水湖沼型、汽水湖沼型)が存在し、それぞれ生息環境が異なる。

河川型:河川河口~下流に生息し、小卵多産型である。
淡水湖沼型:淡水性の湖沼に生息し、大卵少産型である。
汽水湖沼型:汽水性の湖沼に生息し、中卵中産型である。

過去の文献によると、河口型および汽水湖沼型の生息域は一致し、関東以南および新潟以西に生息している。淡水湖沼型は仙台平野から西日本各地のダム湖等で見られるという。

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額角歯式は 2-3+7-11/2-4 で、額角は細長い木の葉型である。
ヤリ状額角のようにも見えるが、ザラテテナガエビなどに比べ上方への湾曲が緩く、幅広である。
本種はミナミテナガエビと似るが、より額角が細長く、触角鱗に達することが多い。

また、ミナミテナガエビとは頭胸甲側面の3本の斜横線の形状から区別することが可能である。
ミナミテナガエビは太い「m」であるが、本種は線が細く、真ん中は折れ曲がる
他にも胸脚の指節長が長く下流域に生息するエビらしい特徴が出る。

経験則だが、ミナミテナガエビよりも低温に強いと感じる。

 

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関東産 河川型の雌
ミナミテナガエビと同様の環境で採集されることも多いが、頭胸甲側面の3本の斜横線のうち真ん中の線が明らかに曲がっているので判別は容易である。
わかりづらい場合は、はさみに剛毛が多いという点でも同定できるが、この点を用いて同定した経験はない。

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関東産 河川型の雌
腹節側面下部に少し黒色の模様が出ている。このような模様は、ザラテテナガエビやスベスベテナガエビの雌でも見られるため、抱卵するうえで何等かの利点があるのかもしれない。

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関東産 河川型(未成体)
このように斜横線が比較的まっすぐな個体は同定に悩むことがある。
加えて額角の長さからも判断が難しいため、第3胸脚の指節長が有効である。

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関東産の河川型の幼体
この大きさでも、頭胸甲側面の模様から十分同定できる。
経験則だが、ミナミテナガエビの幼体は斜横線が明瞭なため区別が楽である。
また、幼体は同じ環境を好むのか1網で100以上採れることもある。

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淡水・汽水湖沼型は、未採集であるため掲載していない。
採集が完了次第、掲載する予定です。

 

参考文献一覧

・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・諸喜田茂充, 2019. 淡水産エビ類の生活史-エビの川のぼり- Life History of Freshwater Shrimps. 諸喜田茂充出版記念会, 東京.
・吉郷英範, 2002. 日本のテナガエビ属(甲殻類:十脚類:テナガエビ科). 比婆科学 206: 1-17.
・大野淳, N. ARMADA, 1999. テナガエビ属の種と地域個体群の分化. 海洋と生物(123): 319-329.

チュウゴクスジエビ Palaemon sinensis

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チュウゴクスジエビ Palaemon sinensis
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>テナガエビ科>スジエビ

南は九州、北は宮城県まで記録がある外来のスジエビ
1969年以降に、「シラサエビ」として中国・韓国から釣り餌用に輸入されている。

日本の多くのスジエビ類とは異なり、純淡水性の生活史を持つ。
分散力が低いため、分布は広いが散在的である。

形態的にスジエビ Palaemon paucidens に酷似しているが、頭胸甲側面の模様で識別することが可能である。
加えて、眼柄と眼の比率や大顎の触髭の有無、尾節末端の形状で判別できるとされるが、それぞれの形態的特徴を総合的に判断する必要がある。
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額角歯式は 0-2+2-6/0-3 で、額角先端に歯が無いのが特徴である。
しかし筆者は、額角先端に鋸歯を持つ個体も確認している。
(ただし、スジエビほど先端寄りではない)

 

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本種はスジエビよりも眼が小さい傾向にある。尾節末端は尖る

 

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神奈川県産の個体
頭胸甲側面の3本の斜横線のうち、最後方の線の上部がフック状に曲がる点がもっとも一般的な識別方法である。
スジエビに比べて、体色が全体的に白っぽい点も識別の際に有効である。

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東京都の池で採集された個体
フック状の斜横線がわかりにくいこともある。
経験則ではあるが、スジエビの「\ /」模様に対して、本種は「\l/」という模様になることが多い。

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東京都の池で採集された個体
これも経験則だが、スジ模様が赤褐色になる傾向があるように感じる。
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上の個体の額角
余談ではあるが、この固体は若干ではあるが額角先端に鋸歯を持っていた。


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スジエビのサンプリングが終わり次第、スジエビとチュウゴクスジエビの比較ページを作成する予定です。

 

参考文献一覧

・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・豊田幸詞, 関慎太郎, 2014. ネイチャーウォッチングガイドブック 日本の淡水性エビ・カニ 日本淡水性・汽水性甲殻類102種. 誠文堂新光社, 東京. 

・斉藤英俊, 2017. 外来釣り餌動物チュウゴクスジエビ Palaemon sinensis の流通に及ぼす新輸入防疫制度の影響. 日本水産学会誌.
・斉藤英俊, 鬼村直生, 米谷公宏, 清水織裕, 小林薫平, 児玉敦也, 河合幸一郎. 外来釣り餌動物チュウゴクスジエビ Palaemon sinensis の出現状況. 広島大学総合博物館研究報告 Bulletin of the Hiroshima University Museum 9: 33-39.
・内田大貴, 石塚隆寛, 加納光樹, 増子勝男, 池澤広美, 土屋勝, 茨城県菅生沼において採集された外来魚3種と外来エビ1種. 茨城県自然博物館研究報告(21): 149-153.

 

オニヌマエビ Atyopsis spinipes

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オニヌマエビ Atyopsis spinipes
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>ヌマエビ科>オニヌマエビ属

南西諸島に生息している、体長75㎜を超える大型のヌマエビ類。
近年の研究で、関東でも無効分散と考えられる個体が少数ながら記録されている。
沖縄島にも比較的多く生息しているが、八重山列島特に個体数は多い

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第1,2胸脚の先端は非常に長い剛毛に覆われる。
上写真のように剛毛を網のように広げることで浮遊物を摂食している。
特に夜になると早瀬の転石の側面などに張り付き、剛毛を広げている様子を観察することができる。

この独特な生態の影響か、形態は水の抵抗を受けにくい形になっていると感じる。

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額角歯式は 0+0/1-8 で、非常に短い。

正中線に太い1本線体側には縦縞が多く入るのが特徴。同じような生態を持つミナミオニヌマエビとは体色で容易に区別が可能である。

河川全域の早瀬環境に生息しており、ミナミオニヌマエビが優占し始める最上流域では個体数が少ないように感じる。

本種とミナミオニヌマエビは、生態的・形態的に類似しているため、同属と思うかもしれない。しかし、オニヌマエビは1属2種のオニヌマエビ属である。(ミナミオニヌマエビはミナミオニヌマエビ属)

この2属の決定的な違いは、第3顎脚指節の形状である。
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ミナミオニヌマエビ属は先端に棘を持つが、本属は剛毛に覆われる

本属は、オニヌマエビ A.spinipes とアジアロックシュリンプ A.moluccensis から構成されており、互いに形態的に酷似している。
アジアロックシュリンプは日本には生息していないが、額角の長さと下縁歯数で識別可能である。

 

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八重山列島産(雌)
成体になる前はオレンジっぽい茶色であることが多い。
水の抵抗を受けにくそうな流線形のフォルムが独特である。

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八重山列島産(雄)
大型の雄の個体は、第3胸脚が肥大化する。
オニヌマエビの雄は第3胸脚を用いて交尾前ガードをするらしい。

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関東で採集された個体
黒潮によって回遊してきたと思われる個体。
この大きさでも特徴的な体色は鮮明である。

 

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参考文献一覧

・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・丸山智朗, 2015. 三浦半島におけるオニヌマエビ(節足動物門:十脚目:ヌマエビ科)とコンジンテナガエビテナガエビ科)の記録. 神奈川自然誌資料(36): 41-44.

 

リュウグウヒメエビ Caridina laoagensis

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リュウグウヒメエビ Caridina laoagensis
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>ヌマエビ科>ヒメヌマエビ属

南西諸島に生息している熱帯性のヌマエビ類。近年の研究で、無効分散と思われる個体が関東でも確認されている。

和名は非常にユニークであるが、見た目はトゲナシヌマエビと瓜二つで地味である。ただ、額角上縁に鋸歯が並ぶので、ルーペ等で観察すれば識別が可能である。

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額角歯式は、0+10-22/2-6 であり、頭胸甲上に鋸歯を持たない

また、腹節背面の模様がトゲナシヌマエビと少し異なることが多い。
写真は双方ともリュウグウヒメエビであり、腹節背面の横縞は正中線と垂直である。
トゲナシヌマエビの斜めに入る横縞はあまり見られない。

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近年の研究によると、琉球列島にはリュウグウヒメエビと近縁な種が複数種いるとされているという。今回扱うのはすべてリュウグウヒメエビCaridina laoagensis1種である。

 

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関東圏産の個体
正中線に金色の1本線が入るのも本種の特徴らしい。
また、腹節背面の正中線と垂直になる横縞も明瞭である
この固体は比較的赤みが強く、トゲナシヌマエビとの区別がしやすい。

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八重山列島産の雌の個体
体全体に金箔がまぶされたような体色で美しい。
腹節の横縞である程度同定することが可能である。

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関東産の個体(雄)
採集してから数日経過していることもあるが、雄の個体のほうが透明であることが多い印象。
このような個体は額角上縁の鋸歯を確認しないと同定することができない。

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リュウグウヒメエビ 額角
正中線の金色の線は額角まで続くことがある。

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八重山列島産の個体(雌)
紹介するのを忘れていたが、頭胸甲側面の「~」を逆にしたような模様は、Caridina laoagensis最大の特徴らしい。
ただし、この模様は生時にしか見られないことに加え、不明瞭であることが多い。

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本州産の抱卵個体
成熟した雌は、その他ヌマエビ類と同様に濃い黒色になる傾向があるようだ。
腹節背面の正中線上の黄色線と垂直に交わる横線が明瞭である。
経験則だが、雌の個体は腹節背面の模様で同定できることが多いように感じる。

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本州産の抱卵個体
上の個体と同所的に採集された個体だが、全体的に赤褐色で腹節背面の模様が不明瞭である。よく見ると頭胸甲側面の「~」を反対にした模様が確認できる。

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本州産の雄の個体
腹節背面の模様は確認できないが、正中線上の黄色の線が明瞭であり、頭胸甲側面の「~」のような模様も不明瞭ながら確認できる。
このような色彩は水槽等に入れると落ちてしまうことが多く、なかなか見ることができない。


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参考文献一覧

・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・丸山智朗, 2017. 神奈川県および伊豆半島の河川から採集された注目すべき熱帯性コエビ類5種. 神奈川自然史資料 (38): 29 - 35.
・丸山智朗, 福家悠介, 2018. オオバヌマエビの沖縄島からの初記録. Fauna Ryukyuana, 43: 11-17.

コンジンテナガエビ Macrobrachium lar

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コンジンテナガエビ Macrobrachium lar
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>テナガエビ科>テナガエビ

琉球列島で最も優占している最大体長150mmにも達する大型のテナガエビ
死滅回遊で本州にやってくることが知られているが、おそらく温排水の影響を受ける水域では死滅せず、再生産を行っていると考えられる。

 

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額角は鈍いヤリ状で、歯式は 2+5-7/2-4 と、テナガエビ類の中では上縁歯数が少ない類である。小型個体は、この特徴を用いて同定することができる。(ただし、幼体は頭胸甲上に1歯しかない。)

成体の体色は、上の写真のような個体がほとんどで、黒く長いはさみ脚が特徴的である。
長い鉗脚を持っているにもかかわらず、遡上力は凄まじい落差50m以上の滝上でも確認することができた。
そのため、河川中下流域から最上流域までいたるところで確認することができる。

 

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若い雄の個体。
特徴的なはさみの形状になっていないが、額角歯式で同定することができる。
また、若い個体は全体的に薄い茶褐色になる印象である。

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八重山列島産の成体雌。
気にしたことが無かったが、雌の個体は色が薄いのかもしれない。
はさみの先端は黒っぽくなるが、オレンジ色の模様があるのも特徴である。

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東海地方産の雌の個体
上述で雌の個体は色が薄いかもしれないとしたが、そんなことはなかった。
成体と言うにはまだ若い個体だが、体色は全体が濃い褐色である。

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東海地方産の幼体
成体に比べると黒い色素胞の数が少なく、全体的に薄い体色である。
この大きさでも比較的額角上縁の鋸歯は大きく、肉眼でも数えられる。

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東海地方産の幼体
この大きさの個体に多いが、頭胸甲側面に3本の斜横線が見られることがあるので、ミナミテナガエビ等との誤同定に注意したい。

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関東産の1㎝未満の個体。
慣れないとテナガエビかどうかも判別するのが難しいかもしれないが、慣れれば額角歯式を見るだけである程度同定することが可能となる。
ただ、この固体はコンジンテナガエビの可能性が高いが、コツノテナガエビの可能性もある。

 

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参考文献一覧

・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・丸山智朗, 2017. 神奈川県および伊豆半島の河川から採集された注目すべき熱帯性コエビ類5種. 神奈川自然史資料 (38): 29 - 35.
・吉郷英範, 2002. 日本のテナガエビ属(甲殻類:十脚類:テナガエビ科). 比婆科学 206: 1-17.

コツノテナガエビ Macrobrachium latimanus

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コツノテナガエビ Macrobrachium latimanus
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>テナガエビ科>テナガエビ

南西諸島の最上流域に生息しているテナガエビ属の1種。
無効分散で本州で採集されている記録はあるが、個体数はかなり少ない印象を受ける。

本種は、筆者が知る限り最も上流域に適応したテナガエビで、海外の文献によると標高1300m以上の水域で記録されたこともあるらしい。
その遡上能力の秘訣は、和名通りの短い額角に加え、テナガエビらしからぬ短い第2胸脚
特に、第2胸脚腕節はもはや3角形のような形となっている。

額角歯式は、上縁に6~12歯と幅広いが、基本的に少ないことが多い(気がする)。
そのため、稚エビを同定する際には、この少ない鋸歯数(9歯以下)が同定形質となり得る。

八重山列島においても個体数は多くないが、独特なニッチであるためか、場所によっては優占しているということも多々ある。

幼体では、下の写真のように透明感のある色彩を有していることが多いが、成体では全体的に濃い褐色で味気ないことが多い。

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左:コツノテナガエビ(幼体)、左:チュラテナガエビ

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八重山列島産コツノテナガエビ雄(ほぼ成体)
横から見るとわかりやすいが、額角は非常に広い木の葉状になっている。
まだ、若い個体の特徴である腹節背面の横縞が残っているが、全体的に濃い褐色になってきている。

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八重山列島産 抱卵した雌の個体。
抱卵しているが、まだまだ若い個体であるため、腹節の横縞が鮮明である。
個人的な意見であるが、このサイズの体色が最も美しいと感じる。

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本州産 無効分散コツノテナガエビ
体長1㎝程度の個体であるが、若い個体の特徴である腹節の横縞は鮮明である。
ただし、撮影ケースに長く入れておくとあっという間に色が抜けるので注意。

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本州産の個体(上の個体とは別)
これは、採集してから長時間経過してから撮影した個体。
腹節の模様が不明瞭となり、同定は困難を極めるだろう。

本州でこのような個体を採集したら、額角を入念に調べる必要がある。
鋸歯数が少なければ、コンジンテナガエビかコツノテナガエビに絞ることができるほか、上記2種は幼体であればともに細長いヤリ状の額角であるので判別しやすい。
後は、飼育して体色が鮮明になったときに同定する必要があるだろう。

 

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参考文献一覧
・諸喜田茂充, 2019. 淡水産エビ類の生活史-エビの川のぼり- Life History of Freshwater Shrimps. 諸喜田茂充出版記念会, 東京.
・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・丸山智朗, 2018. 相模湾および周辺海域流入河川において2016年8月以降に採集された熱帯性コエビ類5種の記録. 神奈川自然史資料 (39): 31-38.
・Robert A Irving, Terence P Dawson, Daisy Wowor, 2017. An amphidromic prawn, Macrobrachium latimanus (von Martens, 1868) (Decapoda: Palaemonidae), discovered on Pitcairn, a remote island in the southeastern Pacific Ocean. Journal of Crustacean Biology, Volume 37, Issue 4, Pages 503-506.

ヒメヌマエビ Caridina serratirostris

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ヒメヌマエビ Caridina serratirostris
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>ヌマエビ科>ヒメヌマエビ属

南西諸島から関東や石川県にかけて分布する。
沖縄島や西日本では比較的個体数が多いが、関東や八重山列島では個体数はあまり多くないように感じる。

経験則だが、一般的に見られるヒメヌマエビ属の種(トゲナシヌマエビ、ミゾレヌマエビ等)よりも採集が格段に難しい
(無論、リュウグウヒメエビやサキシマヌマエビよりは採集しやすい)

体長は25㎜程度と、和名の通り小型のヌマエビである。

本種は、頭胸甲上に多くの鋸歯を有する点が特徴的である。
実際、種小名「serratirostris」は、「鋸歯状の額角の」というような意味であり、記載される際にもこの形態的特徴が注目されていたと考えられる。

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額角歯式は 7-8+10-17/2-9 とされているが、当てはまらないこともある。

本種は、近縁種のコテラヒメヌマエビと酷似している。
さらに文献によると、これらの種の中間的な形質を示す個体が発見されていることもあって、かつてこの2種を亜種とする意見もあった。

2020年の C学会において、このような分類的問題に関する発表があったと聞いているが文献等は公表されていないため、本ブログでは論文等が発表されるまでこの2種を同種として扱うことにする。

日本では Caridina という属名ヒメヌマエビ属と称しているため、人によってはヒメヌマエビがこの属のタイプ種だったり、最も普遍的であると感じるかもしれない。
しかし、ミトコンドリア16SrRNAやCytochrome oxidase subunit 1 を用いた研究によって、他のヒメヌマエビ属とはかなり早い段階で分岐しており、他種とは系統的に一線を画している。

 

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関東産の個体
ヒメヌマエビには大きく2つの体色パターンがある。
1つ目は白い横縞模様が入る個体である。おそらく、ヒメヌマエビと聞いて想像するのはこのような体色であると思われる。

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関東産の個体
もう一方の体色は、無地に正中線に一本線が入るタイプ。
上のより少し地味かもしれないが、関東ではこの体色のほうが多いと感じる。

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関東産の個体
ヒメヌマエビは全体的に赤色になる個体が多いと感じる。
この熱帯性の種を彷彿させるような色彩から、本種の飼育を考える人は多いかもしれない。筆者は実際に飼育したことがあるが、この体色の維持は非常に難しいと感じた。

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沖縄島産の個体
赤が多いと書いたが、カラーバリエーションは豊富である。
ただ、このような青い色彩の個体はあまり見たことがない。

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東海地方産の個体
個人的な経験だが、ヒメヌマエビの体色には茶~赤型青~黒型の2タイプが存在するように感じる。写真のような漆黒の個体は、色が薄まると青色になることが多いように感じる。

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関東産の幼体
熱帯性コエビ類の採集をしていると、10㎜程度の個体をよく見る。
このサイズでは写真のような体色をしていることが多い。

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紀伊半島産の個体
あまり採集したことはないが、写真のように縞模様がたくさん出る個体もいる。
正直、筆者の主なフィールドである関東ではなかなか見ることができない体色なだが、撮影を真面目にやらなかったことに後悔している。

 

上述した通り、コテラヒメヌマエビとの外部形態での識別が可能になるとの文研が発表され次第コテラヒメヌマエビのページを作成する予定です。
また、ヒメヌマエビ類は体色のバリエーションが豊富なので、ここに載せていないような体色の個体の撮影が終わり次第、更新していく予定です。

 

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参考文献一覧

・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・カニ図鑑, 緑書房, 東京.
・豊田幸詞, 関慎太郎, 2014. ネイチャーウォッチングガイドブック 日本の淡水性エビ・カニ 日本淡水性・汽水性甲殻類102種. 誠文堂新光社, 東京. 
・朝倉彰, 2011. エビ・カニ・ザリガニ 淡水甲殻類保全と生物学 1 .4 淡水産コエビ下目の生物地理 75-102. 生物研究社. 東京.
・Page, T. J., Cook, B. D., Rintelen, K. v. & Hughes, J. M., 2008. Evolutionary relationships of atyid shrimp imply both ancient Caribbean radiations and common marine dispersals. Journal of the North American Benthological Society, 27: 68-83.
・鈴木廣志, 佐藤正典, 1994. 淡水産のエビとカニ, 西日本新聞社, 福岡.

ひとりで八重山行ってきた件 弐

おはようございます、ebina です🦐

前回に引き続き、八重山遠征報告の第2弾をやっていきます(^o^)
予告通り、今回はマングローブで採集された生物をピックアップしていきます!

▼前回の記事はこちら▼

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スネナガエビ Palaemon debilis

マングローブに無限に沸いてるスジエビの仲間ですね。
イッテンコテナガエビとは、額角下の色で区別できます
(普通に、雰囲気が全然違うのでわかります)

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ミゾレヌマエビ Caridina leucosticta

マングローブで採集したので、奴だと思ったんですが...
いや、明らかに違ったのでみじんも思ってませんね(笑)

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スベスベテナガエビ Macrobrachium equidens

久しぶりに淡水エビ同定に苦戦しました...(;'∀')
決め手は額角下縁に5歯という点と第3~5胸脚の指節長でした。
誤同定じゃなければ、ebina 初採集テナガエビ13種目となります !

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ヒメシオマネキ Gelasimus vocans

干潟にたくさんいたシオマネキです。
オキナワハクセンもいたのですが、写真取れませんでした...

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ツムギハゼ Yongeichthys nebulosus

かの有名なフグ毒(TTX)を持つハゼです。
そのためか、全然動き回らず写真は撮りやすかった!

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クロホシマンジュウダイ(幼魚) Scatophagus argus

汽水魚の定番って感じなんでしょうね。(思い込み)
言葉では言い表せない。あえて言うならかわいい。

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ゴマフエダイ(幼魚)? Lutjanus argentimaculatus

ぱっと見での同定なので、あってる自信はないっす。
背びれの赤い感じとか、目元の瑠璃とかきれいですね✨

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タネハゼ Callogobius tanegasimae

最初見たときは、ミミズハゼの進化系かと思いました(無知の極み)
各鰭が大きくてなかなか見ごたえがあるハゼですね。

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カワヨウジ Hippichthys spicifer

この手の魚はめったに採集できないので、なかなか嬉しい(^o^)
全然知識ないけど、ヨウジウオも採集頑張ってみようかしら。

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ヤエヤマノコギリハゼ Butis amboinensis

いつか採集してみたいと思ってたのですが、案外にあっさりと。
ぺちゃんこな頭がスーパーぷりちー♡

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ジャノメハゼ Bostrychus sinensis

ぱっと見、ナマズかと思うくらい鼻先の突起が大きい( ゚Д゚)
いかにも、獰猛な見た目でそそられますねー!!

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フタバオサガニ

干潟で採れましたよくわからないカニ。はさみの先が紫でキレイ。

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八重山の干潟をヒルギと一緒に眺めてきました。

淡水エビ要素少なめでしたが、マングローブ域採集の報告は以上です(/・ω・)/
普段採集できないような生物がいっぱいで最高でした。またやります!

次回はいよいよメイントピック!八重山の清流採集記事です!

次の回はこちらから

生き物屋の皆さんならびに淡水エビ好きの皆さん、
今後ともどうぞよろしくお願いしますm(__)m

▼これまでの記事一覧はこちらから▼

ebina-1.hatenablog.com

 

 

ヤマトヌマエビ Caridina multidentata

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ヤマトヌマエビ Caridina multidentata
十脚目>抱卵亜目>コエビ下目>ヌマエビ科>ヒメヌマエビ属

関東から南西諸島まで広く分布しているヒメヌマエビ属の1種。
観賞魚店などでコケ取り用のヌマエビとして売られていることも多い。

最大で55㎜を超える大型なヌマエビで、小型のテナガエビよりも大きくなる。

水槽にいるものしか見たことがない人は知らないかもしれないが、河川上流域の淵に生息していることが多い。
そのため、遡上力はすさまじく5m程度の砂防ダムや堰であれば、難なく乗り越える。

沖縄では上流域だけでなく中流域でも普通に見られる傾向がある。
ただ、八重山列島では個体数は少ないと思われる。

種小名の「multidentata」は、「たくさんの鋸歯を持つ」という意味。

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額角歯式は 0+13-30/3-18 と、名前の通り多くて数えるのが大変だ。
(上の写真は和歌山県産の個体)

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関東産の個体(雄)
本種の最大の特徴は、体側に並行する4本の点線である。

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関東産の個体(雌)
雄と同様に4本の線が並ぶが、点というより線に近い模様である。

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和歌山県産の個体(雄)
写真では少しわかりづらいかもしれないが、尾肢表面に青い丸模様や白い斑があるのも本種の特徴である。
ただ、この美しい色の模様は色が抜けやすいように感じます。

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東海地方産の幼体
体長2㎝未満の個体であったが、体色がはっきりとしており本種の特徴である体側の模様が鮮明である。全体的に緑色の色素胞があり、非常に美しい個体だ。

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関東産の幼体
体長が小さい個体は体側の模様が不明瞭であることが多いので、リュウグウヒメエビ等と誤同定しないように注意したい。
ヤマトヌマエビのほうが体が細長い傾向があるので判別可能。

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関東産の幼体(1cm以下)の額角
余談ではあるが、関東で採集したリュウグウヒメエビ額角歯式のみで同定するのはお勧めしない。

経験則だが、関東産のヤマトヌマエビの上縁歯数は少ない傾向があることに加え、13㎜未満の個体では額角歯数が成長段階にあることもある。
結果、写真のようにヤマトヌマエビでありながら上縁歯数が12歯以下という個体と遭遇しやすい。

ヤマトの稚エビは写真のような額角(細くて長い)であることが多いので、区別は不可能ではない。
ただ、一定期間飼育した方が同定の制度はよいだろう。

 

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参考文献一覧
今井正, 2004. 秋田県鶴潟沼に生息するヌカエビの成長に伴う額角歯の増加. 水産増殖 52(3): 259-264.
・諸喜田茂充, 2019. 淡水産エビ類の生活史-エビの川のぼり- Life History of Freshwater Shrimps. 諸喜田茂充出版記念会, 東京.
・豊田幸詞, 2019. 日本産 淡水性・汽水性 エビ・
カニ図鑑, 緑書房, 東京.